風を訪ねて

「自分でもどこへ行くのか分からない。それでも何かを目指して進みたい。」なんて思ってる私の日々の記録。

〜聖地で宗教の存在を考える〜

突然ですがみなさん、イスラエルってどんなイメージがありますか?

 

私がイスラエルに行くと言ったとき、大抵私の友達は

 

「危なくない?大丈夫なの?」

 

と心配して言いました

 

ガザ地区のことを見聞きしてか、それとも中東にあるということでISの印象が強いのか、かく言う私もイスラエルは命の危険にさらされるような危ない場所だと思っていました

 

 

しかし、実際のところは治安も良いし、他のバックパッカーがよく訪れるような国と変わりありません

 

もちろんガザ地区など一部地域は渡航禁止区域になっていますが、テルアビブやエルサレムなど旅行で訪れるところは観光客が危険にさらされることはほとんど無いと思います

 

あと、意外に思われがちなのは、イスラエルはほかの中東の国々とは少し違い、IT大国といわれる先進国です

 

ワイヤレス充電がiPhone8、iPhoneXで話題になる前から既にイスラエルの空港には設置されていました

 

ちょっとでもイスラエルについて知っている人であれば不思議には思わないでしょうが、中東戦争も知らない私たち若い世代の人は全く興味も関心もなく、検討違いのイメージを持ってる人も多いと思うのです

 

逆にいえば興味も関心も持つ必要のない、日本にはそれほど馴染みのない国なんだと思います

 

そして、さきほど危険じゃないとは言いましたが、全く危険がないと言っているわけではないのでそこは勘違いされないように、、、

 

というのも、3つの宗教の聖地があるエルサレムではよく宗教上の対立が起こります

 

ちょうど私が渡航する前にも「神殿の丘事件」というここ最近では一番大きな衝突に発展した事件があります

 

きっかけはイスラム教徒がお祈りをする神殿の丘内のアル=アクサー・モスクイスラエル警官二人がパレスチナ人に銃殺されたことでイスラエル側が神殿の丘に金属探知機を設置たことです

 

これまで何の制限もなく入れていた神殿の丘に規制がかかるのはイスラム教徒に対する侮辱だとして、神殿の丘付近でパレスチナ人とイスラエル警察の衝突が起きたのです

 

押し合いみたいな衝突でパレスチナ人は特に武器などは持ちませんが、イスラエル警察が威嚇のために発砲して被害者が出ることもあります

 

この衝突が影響して、ヨルダンのイスラエル大使館イスラエルの警備員がパレスチナ人に襲われ、抵抗したイスラエル警備員によって襲ってきたパレスチナ人が銃殺されたのです

 

 

この結果、ヨルダンとイスラエルの間には緊張がはしり、最終的にはイスラエルが神殿の丘に設置した金属探知機を撤去するという形でこの事件は終息しました

 

が、この事件の間にユダヤ人を狙ったパレスチナ人による殺害事件が頻発しました

 

私が理解しているのはこんな感じですが、もっと詳しく知りたい方はこちらを参考にどうぞ

オリーブ山便り|イスラエルを中心とした中東・世界のニュースをエルサレムから

イスラエル国内のニュースなどが日本語でわかりやすく解説されています

 

あくまでイスラエルユダヤ人)とパレスチナ人の衝突なので旅行者が巻き込まれることはほぼないですよ、衝突が原因で治安が悪化することもないですよ、ということです

 

私が行ったときも、衝突があった直後にもかかわらず、観光客の数がすごかったです

 

あとエルサレム観光地化されていて、客引きがしつこいので、聖地の厳粛な雰囲気があまりなく、私としてはそれが残念でした

 

でも、エルサレムにいったからこそ、現地の人と話して、直接意見を聞くことができたのです

 

 

宿泊先でのことです

 

ゲストハウスのオーナーに私が平和な世界を作りたい、戦争を減らすために何かしたいということを話すと、彼は平和についてこう語ってくれました

 

平和というのは力のバランスなんだ

 

二つの国があり、その片方の国が弱くて平和を望んでいたとする

でももう片方の国の方が強いことが分かっていれば強い国は勝てるから戦争をしかけるんだ

 

だから、弱い国は強気な姿勢でいつでも戦えるようにみせなければいけない、弱さを見せてはいけない、たとえ平和を望んでいたとしても」

 

彼の話は続きます

 

 

「また、こんなことも言える

 

現在、イスラエルパレスチナ圧倒的にイスラエルの力が強い

 

パレスチナイスラエルに匹敵する軍事力を持つことが出来ないから、今はそれほど大きな戦争が起きていない、つまり平和が成り立っている

 

平和というのは力の天秤が偏っているから成り立つんだ

 

もしここで、イスラエルが弱さを見せればどうなるか

 

パレスチナが土地の奪還を狙って大きな戦争が起きてしまうだろう

 

そうならないためにも、イスラエル側は平和を望むからこそ、圧力をかけ続けなければいけない

 

ところどころ話がわからなくて私の解釈で補っていますが、だいたいこんなことをオーナーは話してくれました

 

そして、「君は平和のためにいったい何をするんだい?」と尋ねられました

 

 

私は答えることができませんでした

 

  

戦争が無くなることは無い

 

 

 

そう言われているようでした

 

 

たぶんこの考えがここエルサレムでは正しい考えなんでしょう

 

ずーーっと昔から、この土地を奪い合ってきたエルサレムで現状では軍事的な争いが起きていないということはどこかの勢力が圧倒的なことを示し、別の勢力は抑圧されることを意味します

 

 

この土地では敵がいることが当たり前で、敵に支配されないようにたとえ自分が平和を望んでいても、相手に力を見せ続けなければいけません

 

もし勢力が拮抗してくれば再び戦争が起こる

 

やるかやられるかのどちらか

 

 

軍事の強化を怠ってはいけない

 

 

そうやって自分たちの家族を守っていく

 

 

 

 

 

 

  

でも、これから先もずっとこのままなんて悲しすぎませんか

 

私はこの話に納得したくありません

 

 

ずっとにらみ合って力の差を見せつけて、力が拮抗してきたらまた戦って、またにらみ合って

 

 

数千年も土地を奪い争ってきたから、この争いはこれからもずっと続くなんて後ろ向きな考えじゃなく

 

これまでたくさん争ってきたからこそ、もう次のステップに行けばいいとおもうんです

 

敵も味方もない、誰もが安心できる所にしていくべきです

 

今だって、同じ町に暮らして生活しているじゃないですか

 

ユダヤ人もパレスチナ人も、キリスト教徒であれ、ムスリムであれ、ユダヤ教徒であれ、同じ電車、バスに乗っている

 

 

なのにどうして、組織的にはにらみ合っているのか

 

宗教的な理由って言うけれど、宗教だって争いを生むために出来たわけじゃないでしょうよ

 

無宗教な私にはわけがわからない

 

 

 

悔しいけど、私の価値観では説明しきれない何かがあるのでした

 

宗教という存在が、私と彼らの価値観の違いをつくっていました

 

オーナーの考えを否定したくはないんだけど、、

 

だけどあまりにも悲しすぎるから

 

もっとイスラエルのことを知って、宗教の事も勉強して、私も1人のの当事者になって、新しい道を探したいなと思うのです

 

 いやほんと、宗教って難しい

 

 

 そう実感したイスラエルでしたとさ

 

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次は最後の国、韓国です!